「中古マンションは管理を買え」という決まり文句はよく聞きますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
そこでこの記事では、わたしの実体験を通じて学んだ「ダメ物件を見極めるためのポイント」を詳しくご紹介します。中古マンンションの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
こんな中古マンションは「ダメ管理」物件!
まずは、マンションの内覧時に確認できる「ダメポイント」を3つご紹介します。
ポイント1. エントランスにゴミがある
ポスト周辺にチラシが散乱していたり、掲示板に古い張り紙が残ったままというマンションは要注意です。駐輪場に放置自転車が溜まっている状態も、管理状態が良いマンションとはいえません。
ポイント2. 外観の劣化が目立つ
マンションの外壁には「タイル貼り」「塗装」などがありますが、亀裂が目立っていたりタイルが剥がれたりしている物件には注意が必要です。
「少しくらいなら良いのでは?」と思うかもしれませんが、たとえ小さなヒビ割れであっても都度、補修するのが基本です。
建物の寿命は管理方法に直結するため、日々のメンテナンスが非常に重要なポイントとなります。
ポイント3. 「管理費」「修繕積立金」が安すぎる
管理費・修繕積立金の平均
- 中古マンションの管理費の平均:217円/㎡
- 中古マンションの修繕積立金の平均:217円/㎡
国土交通省が発表した「平成30年度マンション総合調査結果」によると、分譲マンションの管理費・修繕積立金の平均は217円/㎡となっています。
例えば、70㎡の分譲マンションであれば月々15,190円(70㎡ × 217円)必要という計算です。
中古マンションの購入が不安な人は事前に必ず「議事録」を見ましょう
マンションの外観やエントランス、周辺の状況は目で見て確認できても、管理組合に関しては住人に聞かない限り、まるで分かりません。そのため、購入を検討している物件に関しては、事前に必ず議事録を取り寄せることをおすすめします。
議事録に書かれている内容
- 管理組合の予算や決算
- 工事やメンテナンスに関する課題と決議結果
- 管理費・修繕積立金の滞納者の有無 など
管理組合が開催する総会には必ず議事録が作成されます。議事録には主に、上記のような内容が書かれていて、マンションの経済状況などが把握できます。
議事録は住人でなくても閲覧できる
(議事録)
第四十二条 集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名しなければならない。
4 第二項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が行う法務省令で定める署名に代わる措置を執らなければならない。
5 第三十三条の規定は、議事録について準用する。引用:区分所有法第42条第5項
議事録は「区分所有法第42条第5項」の規定にあるように、利害関係人(所有者や賃借人、管理組合の債権者、購入予定者など直接的に利害関係を持つ人)には閲覧させなければならないことになっています。
(規約の保管及び閲覧)
第三十三条 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。
2 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。
3 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
管理がダメダメな中古マンションを見抜くポイント
内覧時のチェックポイントに続いて、ここでは「いざ購入」の前に一通り確認しておきたいチェック項目をご紹介します。
1. 修繕履歴
中古マンションを購入する際は、大規模修繕の有無と今後の実施時期(おおよそ10年〜12年に1回)を必ず確認してください。
戸数の少ない小規模なマンションでは、修繕資金を銀行から借入れるケースもあるため、その場合は返済状況もあわせて確認します。
その他にも、給排水管やエレベーターの修繕履歴を一通りチェックしてください。
特に、築年数が20年〜30年のマンションで一度も給排水管が交換されていない、またはその計画もないマンションはおすすめできません。
2. 長期修繕計画
長期修繕履歴を見ると、先々の修繕計画は大体の予想がつきますが、大切なのは「内容と金額が妥当かどうか?」です。
また、マンション購入後に「修繕積立金の増額が予定されているかどうか?」も長期修繕計画を見れば分かります。
3.「管理費」「修繕積立金」の金額と積立状況
マンションの管理費と修繕積立金の金額はすぐに確認できますが、それらの集金状況と修繕積立金の積立額については、そうもいきません。
不動産担当者に確認してもらうことも可能ですが、できれば総会の議事録を見せてもらってください!
チェックポイント
- 未収金がないかどうか?
- 滞納者を放置していないか?(管理組合や管理会社の対応に問題はないか)
未収金があるマンションは正直、不安……ですよね? マンションの財政事情を確認するうえで、これらも欠かせない確認ポイントです。
4. 共用部分の掲示板
掲示板を見ると、そのマンションの様子が伺えます。
また、情報が適宜更新されているかどうかのチェックもお忘れなく!管理組合が適正に運営されていれば、掲示板は常に整理されているはずです。
5. 共用部分の廊下やエレベーター
チェックポイント
- 共用部分が汚れていないか?
- 交換されずに古くて使いづらいままの設備はないか?
共用部分に関しては、廊下やエレベーターなど可能な範囲で見てまわってみてください。住人が日々必ず使う場所や設備は特に、そのマンションの良し悪しが表れます。
6. 共用部分のゴミ置場
分譲マンションに限った話ではないですが、ゴミの出し方で住人のマナーが分かりますよね?
また、管理人さんの日常の管理業務がしっかり行われているかどうかも、ゴミ置場を見ればある程度推測できます。
7. 駐車場
車を所有している方であれば、駐車場に空きがあるのは嬉しい限りですが、空き区画が目立つ場合は注意が必要です。
駐車場代はマンションの収益に関わる部分のため、空き区画が多い場合は管理費の負担増などの可能性があるかもしれません。
また、機械式駐車場も多い昨今ですが、維持費やメンテナンスの手間がかかる点は、あらかじめ理解しておきましょう。
8. マンションの管理規約
管理規約は、そのマンションで守るべきルールをまとめたもののことです。内容はマンションごとに異なるため、独自ルールの有無を確認してみてください。
中古マンションは購入前に実物を見られるのがメリット
中古マンションのメリット
- 新築マンションに比べ物件数が多い
- 駅近で好立地かつ物件価格が割安
- 実際に内覧できる
新築にも中古にも、それぞれ一長一短ありますが、中古ならではの魅力を説明するとズバリ上記の3点です!
新築マンションは建設前に分譲が始まるため、購入希望の部屋を確認できないケースが大半ですが、中古マンションは違います。
中古マンションは周辺の環境、日当たりを含め、売りに出された部屋を実際に内覧したうえで購入するか否かを決められます。
管理状況を事前に確認できるのが中古マンションの強み
当然ながら、中古マンションは新築マンションに比べて価格が割安です。
そのため「多少の難があっても、安ければOK」と考える方がいますが、価格だけで決めてしまうと後悔するかもしれません。
実際に住んだあとで「こんなはずじゃなかった」とならないよう、前述したポイント8つを必ず押さえてください!
中古マンションは管理を買え!まとめ
マンション選びは「立地」「価格」「間取りや設備」に意識が向きがちですが、管理状態も無視できない重要な判断ポイントです。
特に、管理に関してはマンションの資産価値にも関係します。
また、リノベーションを前提とした物件探しでは、ご紹介したポイントに加え、見るべきポイントが更に増えます。物件探しとセットでリノベーションをお考えの方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。
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