不動産業者が利用する「レインズ」は、残念ながら一般公開されておらず、不動産を売買したいエンドユーザーが個別に閲覧するのは不可です。
そこでこの記事では、レインズを直接見られない理由とレインズに代わる不動産情報サイトをご紹介します。物件探しをしている人は、ぜひ参考にしてください。
知っておきたいレインズの基礎知識
「指定流通機構」と呼ばれるレインズは、前述のとおり不動産業者のみが利用できる不動産情報サイトのことです。
1988年にスタートし、国土交通大臣から指定を受けた東日本、中部圏、近畿圏、西日本の4つの「指定流通機構」が運営しています。
その理由は、不動産会社同士がレインズを使って情報交換しているからです。
その仕組みを次項で詳しくご紹介します。
レインズを利用できるのは指定流通機構に会員登録をしている不動産業者のみ
前述のとおり、レインズを利用できるのは、指定流通機構に会員登録をしている不動産業者のみです。そのため、エンドユーザー(個人)が不動産情報を登録したり、直接見たりすることはできません。
情報を検索したい場合は、不動産会社を通じて閲覧します。
レインズの仕組み
レインズの仕組み
- 売主:レインズに登録済の不動産会社に、物件の売却を依頼→不動産会社がレインズに情報を登録
- 買主:レインズに登録済の不動産会社に、物件の検索を依頼→不動産会社がレインズで情報を検索
レインズの運営目的は、不動産情報を登録することで、買主(または売主)を見つけやすくする点にあります。
レインズに登録される物件について
レインズは、売りに出された物件の全てが掲載されるわけではありません。
専任専属媒介契約とは、物件の売却を一社の不動産会社とのみ契約することを指します。
一方、売主が何社でも売却の仲介を依頼できる「一般媒介契約」の場合は、レインズに物件を登録する義務はありません(依頼すれば登録可能)
専任契約した不動産会社の能力によっては、物件が売れないこともあり得るため、買い手を見つけやすくするために誕生したのがレインズなのです。
レインズのメリット
メリット
- 売却の場合:レインズを通じて複数の不動産会社に買い手を探してもらえる
- 購入の場合:レインズを通じて多くの物件情報を見られる
不動産会社を通じてしか閲覧できないレインズですが、売り手・買い手それぞれにメリットがあります。
レインズのデメリット
一方、デメリットは「両手仲介のため情報が開示されにくい」点にあると、わたしは思います。次項で詳しくみていきましょう。
「片手」「両手」といわれる仲介手数料の罠
不動産会社は「仲介手数料」によって利益を得ます。こちらは、2パターンある仲介の仕組みを説明したものです。
2種類ある仲介手数料
両手仲介
- 売り手と買い手の両方から、報酬(仲介手数料)を受け取ること
片手仲介
- 売り手または買い手のどちらかから、報酬(仲介手数料)を受け取ること
レインズに登録されるのは、物件の売却を一社の不動産会社とのみ契約する「専任専属媒介契約」のみです。
なぜなら、自社で売却を完結できれば、売主と買主の両方から仲介手数料を得られるからです。
反対に、他の不動産会社を挟む場合は、売主からの仲介料しか得られず、買主からの仲介料は他の不動産会社に入ってしまいます。
「他者と交渉中のため」などを理由に断られますが、実際のところは両手報酬を受け取るために、意図的に情報を隠すからだと思います。
両手仲介が生む「囲い込み」
前述のとおり、売主と専任専属媒介契約を交わした不動産会社は、他社からの紹介依頼に応じなかったり、情報を開示しないことがあります。
レインズによくあるパターンとわたしの体験談
step
1不動産屋(仲介業社)でレインズを見る
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2物件の紹介を登録元に依頼する
step
3「現在、商談中です」と断られる
本当に商談中のこともあるとは思いますが、この言い訳はもはや、中古マンション市場に蔓延しているのでは?とさえ感じます。
レインズはエンドユーザーの役に立たないと判断!
そもそも、レインズが一般公開されない理由は、不動産会社の利益を守るためだと考えられます。
そのため、「このままでは、当てにならない」と感じたわたしたちは、物件探しの途中でレインズを見るのはヤメにしました。
レインズに代わる情報サイト
繰り返しになりますが、レインズは不動産会社を通じてのみ、閲覧・検索できるサイトです。しかし現在は、個人も閲覧できる情報サイトが複数あります。これにより、個人も実質レインズ同様の情報を見られるようになりました。
1. 不動産ジャパン
「不動産ジャパン」は、ほぼ全国の不動産仲介業者が今まで個別に運営していた物件情報を、一元的に検索できるようになっています。
「不動産会社に行くのは手間」「レインズと併用して物件探しをしたい」という方は、不動産ジャパンで物件検索してみてください。
2. レインズマーケットインフォメーション
ご紹介した不動産ジャパンの他に、レインズに登録している不動産会社で実際に行われた不動産取引の価格情報が検索できるサイトもあります。
「不動産売買の料金相場を知りたい」という時は「レインズマーケットインフォメーション」でリサーチしてみてください。
3. ウチノカチ
「ウチノカチ」は、不動産取引の価格相場をまとめたWebサービスです。不動産取引価格の透明化を目的として運営されており、誰でも無料で利用できます。
データは常に更新されているため、気になる物件について最新情報を手に入れられるのも、ウチノカチの魅力です。
4. マンションナビ
「マンションナビ」は、全国の中古マンション相場を調べられるサイトです。マンション名を入力するだけで「売却」と「賃貸」の両面から査定価格を知ることができます。
これにより、賢く売却できるだけでなく、中古マンションを購入する際の相場チェックにも役立ちます。わたしは実際に、マンションナビを使って欲しい物件の相場をリサーチしました!
リアルな情報が掲載されているおかげで、気になる物件を比較検討する際にも役立ったことを覚えています。
レインズは一般公開されていない!わたしの体験談まとめ
不動産業者しか直接扱えないレインズですが、ご紹介のとおり現在は、レインズ同様の情報が一般公開されるようになりました。
不動産売買は、取引価格相場などの情報収集が大切です!
そのため、不動産売買をお考えの方は、ご紹介したサイトをぜひ活用してみてください。
また、レインズにみる「囲い込み」の悪しき慣習は、今後も変わらないと思います……。マンション購入は人生の中の一大イベントですので、こういった業界事情も頭に入れつつ、賢く良い物件を手に入れられるようにしてください。
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